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腸管出血性大腸菌O26: H11 22c209の広域発生事例について

公開日:2024年5月29日

(IASR Vol. 45 p75: 2024年5月号

国内で分離される腸管出血性大腸菌(EHEC)O26の90%以上はVero毒素1型遺伝子(VT1)のみを保有するが、約6%でVT2保有株が報告されている。EHEC O26では、反復配列多型解析(multilocus variable-number tandem-repeat analysis: MLVA)法による全国サーベイランスが行われており、2022年10月~2023年3月までの期間に、類似したMLVA型(complex 22c209)を示すVT2保有EHEC O26が28の地方衛生研究所・保健所から74株報告された。2023年2月には、横浜市において、同MLVA型感染者の喫食物調査によって、生食用と称する馬脂肪注入冷凍馬肉(生食用馬肉)から感染者から検出されたEHECとMLVA型の一致する菌株が分離された。同食品は、ヨーロッパで生産および食肉処理、国内で加工が行われたものであった。当該食品の食肉販売店の営業者に対しては、残品の販売禁止および販売品の回収等の指示がなされている。そこで、同MLVA型の24株(当該食品由来株2株を含む)について全ゲノム配列の解読を行い、国立感染症研究所細菌第一部内で解読した計1,103株のEHEC O26とともに、系統解析等を行った。

系統解析の結果、同MLVA型の株から30カ所以内の単一塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNP)を示す株をに示す。22c209に属する株は、いずれも最大で3カ所以内のSNPを有するクラスターを形成した。22c209以外で最も近縁であった国内株は、2022年に分離された2株で、13カ所のSNP(MLVAでは4または6カ所の差異)が存在しており、直接的な関連性は低いと示唆された。以上の結果から、他のヒト由来株における馬肉喫食状況は不明であったものの、生食用馬肉による食中毒由来株と非常に近縁な株が全国的に分離されていることが明らかとなった。

全国の地方衛生研究所・保健所
横浜市保健所横浜市衛生研究所微生物検査研究課
小泉充正 仙田隆一

国立感染症研究所細菌第一部
李 謙一 伊豫田 淳 泉谷秀昌 明田幸宏

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