IDWR 2013年第26号＜発生動向総覧＞2013年第26週（2013年6月24日～6月30日）

注意：PDF版よりピックアップして掲載しています。

　発生動向総覧

〈第26週コメント〉　7月3日集計分

◆全数報告の感染症

注意：これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

注意：感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。

1類感染症：

報告なし

2類感染症：

結核 448例

3類感染症：

細菌性赤痢5例
	菌種：S. sonnei （D群）4例＿感染地域：インド4例 S. boydii （C群）/ S. sonnei （D群）1例＿感染地域：インド

腸管出血性大腸菌感染症118例（有症者81例、うちHUS 2例）

感染地域：国内116例、韓国1例、国内・国外不明1例
国内の多い感染地域：兵庫県14例*、宮城県11例、三重県10例**、広島県8例、山形県6例、愛知県6例、千葉県5例、鹿児島県5例、静岡県4例***、福岡県4例、東京都3例、長野県3例、京都府3例、北海道2例、茨城県2例、埼玉県2例、富山県2例
* 保育所に関連した集団感染例を含む（O157 VT不明）
** 飲食店における食中毒患者を含む（O157 VT1・VT2）
*** 幼稚園に関連した集団感染例を含む（O157 VT1・VT2）
年齢群：1歳（3例）、2歳（8例）、3歳（6例）、4歳（5例）、5歳（5例）、6歳（1例）、7歳（2例）、8歳（1例）、9歳（4例）、10代（21例）、20代（10例）、30代（10例）、40代（14例）、50代（8例）、60代（12例）、70代（3例）、80代（4例）、90代（1例）
血清型・毒素型：O157 VT1・VT2（33例）、O157 VT2（23例）、O26 VT1（19例）、O157 VT不明（13例）、O157 VT1（5例）、O26 VT不明（4例）、O103 VT1（3例）、O145 VT1（3例）、O26 VT2（2例）、O26 VT1・VT2（1例）、O91 VT1（1例）、O111 VT1・VT2（1例）、O111 VT1（1例）、O115 VT1（1例）、その他・不明（8例）
累積報告数：728例（有症者517例、うちHUS 14例．死亡なし）

腸チフス1例（感染地域：三重県）

4類感染症：

A型肝炎2例（感染地域：神奈川県1例、兵庫県1例）

重症熱性血小板減少症候群2例
	感染地域：高知県1例（2013年5月発症）、熊本県1例（2013年5月発症）年齢群：70代（1例．死亡）、80代（1例．死亡）

つつが虫病8例
	感染地域：青森県2例、秋田県2例、岩手県1例、山形県1例、群馬県1例、長野県1例

デング熱5例（感染地域：タイ3例、ラオス1例、インドネシア1例）
日本紅斑熱5例（感染地域：長野県1例、広島県1例、愛媛県1例、宮崎県1例、鹿児島県1例）

レジオネラ症29例（肺炎型28例、ポンティアック型1例）

感染地域：宮城県5例、茨城県3例、群馬県2例、埼玉県2例、石川県2例、長野県2例、山形県1例、栃木県1例、千葉県1例、新潟県1例、岐阜県1例、愛知県1例、奈良県1例、岡山県1例、長崎県1例、国内（都道府県不明）3例、韓国1例
年齢群：40代（2例）、50代（8例）、60代（7例）、70代（6例）、80代（2例）、90代（4例）

5類感染症：

アメーバ赤痢13例（腸管アメーバ症12例、腸管及び腸管外アメーバ症1例）
	感染地域：千葉県1例、神奈川県1例、愛知県1例、京都府1例、福岡県1例、長崎県1例、国内（都道府県不明）7例感染経路：性的接触5例（異性間2例、同性間1例、異性間・同性間不明2例）、経口感染3例、不明5例

ウイルス性肝炎2例
	B型2例＿感染経路：性的接触1例（異性間）、不明1例

急性脳炎2例
	病原体不明2例＿年齢群：1歳（2例）

クロイツフェルト・ヤコブ病3例（孤発性プリオン病古典型3例）

劇症型溶血性レンサ球菌感染症5例
	年齢群：50代（1例）、60代（2例）、70代（1例）、80代（1例．死亡）

後天性免疫不全症候群19例（AIDS 6例、無症候11例、その他2例）
	感染地域：国内17例、台湾1例、国内・国外不明1例感染経路：性的接触19例（異性間5例、同性間14例）

侵襲性インフルエンザ菌感染症1例（肺炎＿菌検出検体：血液）
	年齢群：90代

侵襲性髄膜炎菌感染症1例（菌検出検体：血液）
	感染地域：東京都年齢群：60代

侵襲性肺炎球菌感染症10例（うち肺炎6例＿菌検出検体：血液10例）
	年齢群：1歳（2例）、3歳（2例）、60代（1例）、70代（3例）、80代（2例）

梅毒24例（早期顕症I期6例、早期顕症II期10例、無症候8例）
破傷風4例〔年齢群：50代（1例）、60代（1例）、70代（1例）、80代（1例）〕

風しん359例（検査診断例229例、臨床診断例130例）

感染地域：大阪府71例、東京都59例、兵庫県19例、神奈川県17例、福岡県16例、京都府14例、愛知県12例、鹿児島県11例、千葉県8例、和歌山県8例、埼玉県5例、滋賀県5例、宮城県4例、栃木県4例、三重県4例、奈良県4例、茨城県3例、静岡県3例、広島県3例、北海道2例、沖縄県2例、福島県1例、群馬県1例、福井県1例、島根県1例、岡山県1例、山口県1例、香川県1例、高知県1例、佐賀県1例、国内（都道府県不明）75例、米国（ハワイ）1例
年齢群：0歳（4例）、1歳（5例）、2歳（3例）、4歳（1例）、5～9歳（2例）、10～14歳（5例）、15～19歳（21例）、20～24歳（45例）、25～29歳（53例）、30～34歳（41例）、35～39歳（55例）、40代（78例）、50代（35例）、60代（9例）、70代（2例）
累積報告数：11,991例（検査診断例8,221例、臨床診断例3,770例）

麻しん7例〔麻しん（検査診断例1例、臨床診断例3例）、修飾麻しん3例〕
	感染地域：千葉県1例、神奈川県1例、大阪府1例、国内（都道府県不明）3例、神奈川県/中国1例年齢群：1歳（1例）、5～9歳（1例）、20～24歳（1例）、25～29歳（1例）、35～39歳（2例）、40代（1例）累積報告数：155例〔麻しん（検査診断例56例、臨床診断例58例）、修飾麻しん41例〕

（補）2012年第26週から2013年第25週までに診断されたものの報告遅れとして、エキノコックス症1例（多包条虫＿感染地域：北海道）、Q熱1例〔感染地域：国内（都道府県不明）＿感染源：猫〕、日本紅斑熱1例（感染地域：熊本県）、ライム病2例（感染地域：北海道2例）、急性脳炎3例〔病原体不明3例＿年齢群：1歳（2例）、7歳（1例）〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例（60代）などの報告があった。

◆定点把握の対象となる５類感染症（週報対象のもの）

全国の指定された医療機関（定点）から報告され、疾患により小児科定点（約3,000 カ所）、インフルエンザ（小児科・内科）定点（約5,000 カ所）、眼科定点（約600 カ所）、基幹定点（約500 カ所）に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

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インフルエンザ：定点当たり報告数は第18週以降減少が続いている。都道府県別では沖縄県（4.69）、岐阜県（0.47）、熊本県（0.33）が多い。

小児科定点報告疾患：RSウイルス感染症の報告数は436例と2週連続で増加した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約78%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では佐賀県（2.35）、広島県（1.25）、福岡県（1.15）が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では鳥取県（3.42）、長野県（3.17）、福井県（3.05）が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第21週以降減少が続いている。都道府県別では大分県（9.28）、宮崎県（8.50）、茨城県（6.92）が多い。水痘の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では岩手県（1.83）、熊本県（1.64）、福島県（1.62）が多い。手足口病の定点当たり報告数は第19週以降増加が続いている。都道府県別では佐賀県（12.30）、大分県（12.22）、熊本県（10.74）が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では富山県（0.83）、新潟県（0.67）、宮城県（0.26）、千葉県（0.26）が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県（0.09）、秋田県（0.06）、福井県（0.05）が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第19週以降増加が続いている。都道府県別では佐賀県（4.30）、熊本県（3.90）、徳島県（3.78）が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では福井県（1.36）、福岡県（0.78）、佐賀県（0.74）が多い。

基幹定点報告疾患：マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では青森県（2.33）、沖縄県（2.14）、宮城県（2.08）が多い。