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国立健康危機管理研究機構
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HAMの現状

公開日:2011年6月02日

診療の現状

HAM患者の少ないHTLV-1非浸淫地域において、一般医師の本疾患に対する認識度は薄く、診断がつくまでに年単位で時間を要する場合がある。その間に症状が進行し、重症化する患者がいまだに見られる。また、診断がついても、専門の医師が少ないため、疾患活動性の評価に必要な検査が行われず、病状に応じた適切な治療を受けることのできない場合もある。HAM患者は、軽症から重症まで個人差が大きく、疾患活動性や重症度に応じて治療内容を選択し、できるだけ重症化を予防する治療方針を立てる必要がある。重症化した場合、たとえ適切な治療を受けても、生活の質の低下の大きな原因となる歩行障害や排尿障害、難治性の疼痛などの症状は残る場合が多いため、長期にわたる対症療法を含め、自己導尿管理やリハビリテーションなどが必要不可欠である。しかし、患者の日常生活に沿った医療体制の整備は全国的にも十分とは言い難い。生命予後は一般的には良好である。

治療法開発の現状

HAM発見時より、抗炎症作用や免疫制御による様々な治療法が試みられている。経験的にも副腎皮質ステロイドが最も有効であるが、長期投与による副作用が認められ、それにより減量あるいは中止でしばしば症状の再燃が見られる。また、抗ウイルス作用などが期待される天然型インターフェロンαは、その有効性が確認され保険適用となっているが、副作用などの問題があり、長期的な有効性についてはまだよく分かっていない。最近、HAMの発症や病態にウイルス量の増加が関連していることが明らかとなってきており、HTLV-1感染細胞数を減少させる抗ウイルス療法の開発が期待されている。しかし、現在のところ、抗エイズ療法に準じて使用された抗レトロウイルス薬が顕著に奏効した報告はない。

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